2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧
老夫婦鼻水啜り晦日蕎麦 藤木洋良
しんしんと寂しさ積もる雪の暮 藤木洋良
雨脚が白くなりつつ年暮るる 藤木洋良
耳掃除心掃除す年の暮 藤木洋良
冬の日や風が耳打ち寂しいね 藤木洋良
冬の波怒りぶちまけ崩れ落つ 藤木洋良
老夫婦ワインで乾杯クリスマス 藤木洋良
光あれ貧しき人の聖夜かな 藤木洋良
裸木や己を捨てて明日を生き 藤木洋良
老いて知るポインセチアの恋心 藤木洋良
待ち人は来たらず今日は冬至かな 藤木洋良
水鳥や己の影が水に濡れ 藤木洋良
浜茶屋の鱈汁美味し海は時化 藤木洋良
喩えれば胸中暗き冬の海 藤木洋良
人生に明日はありや今日は雪 藤木洋良
生と死の狭間は昏し冬薔薇 藤木洋良
灯をともす心はありや実南天 藤木洋良
余命とは針に糸通し過ごす冬 藤木洋良
口癖はあーあ疲れた風邪気味や 藤木洋良
待つことは耐えることなり老いの冬 藤木洋良
砂時計倒立させて街師走 藤木洋良
白鳥の空が泣いてる雨霰 藤木洋良
山茶花や風も聞いてる風の声 藤木洋良
陽が射して目元涼しき冬の鵙 藤木洋良
裸木の色香に迷ふ風の影 藤木洋良
命日や空が泣いてる寒鴉 藤木洋良
歳暮鮭贈る人なし七十五歳 藤木洋良
黙然と石ころを蹴る寒き人 藤木洋良
談笑す光と風と冬紅葉 藤木洋良
人間が猿に似てくる師走かな 藤木洋良