2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

蕗の薹

命には貴賤なしやと蕗の薹 藤木洋良

花鳥

永遠と鳴く花鳥や幻聴か 藤木洋良

亀鳴く

スランプや一句も詠めずに亀が鳴く 藤木洋良

春の月

酒に酔ひ窓を開ければ春の月 藤木洋良

春の雲

老いの今うつ状態の春の雲 藤木洋良

白鳥

白鳥の声で目覚めて寝起き良し 藤木洋良

春雷

春雷や風に浮かれて老いる我 藤木洋良

牡丹雪

自己を捨て命長らへ牡丹雪 藤木洋良

春の雪

今日を生き明日も生きたし春の雪 藤木洋良

春めく

春めくや妻の料理は薄味に 藤木洋良

思ひ出の風の吹く日や鰆食ふ 藤木洋良

ぶらんこ

ぶらんこや老いの寂しさ空にあり 藤木洋良

春浅し

老妻の薄毛気になる春浅し 藤木洋良

薄氷

薄氷を渡りゆく風うつになり 藤木洋良

春の雪

亡き子から届く手紙か春の雪 藤木洋良

百合鷗

ゆりかもめ指で数へて一句詠む 藤木洋良

早春

早春の空の余白に鳶が舞ふ 藤木洋良

春浅し

春浅し庭の雀も鳴かぬなり 藤木洋良

梅咲いて空気りんりん匂ひけり 藤木洋良

春の夢

亡き友と酒酌み交わす春の夢 藤木洋良

春寒し

老木も心を病みて春寒し 藤木洋良

蝋梅

蝋梅や君の考へ香りあり 藤木洋良

冴返る

今日もまた人に生まれて冴返る 藤木洋良

命日

命日や天の涙か春の雪 藤木洋良

寒明

寒明けの川面を風がふらふらと 藤木洋良

立春

立春の風膨らます鳩の胸 藤木洋良

節分

節分や昔語りの雪が降り 藤木洋良

冬かもめ

冬かもめ生は生なり死は怖し 藤木洋良

凍鶴

凍鶴や我も生きたし片足で 藤木洋良