2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ふくろふや迷ひの森の暗きこと 藤木洋良

冬の朝

冬の朝鳶一羽舞ひ黙す風 藤木洋良

初氷

初氷ばりばりと風割れにけり 藤木洋良

北風

北風に逆らって飛ぶ鴉あり 藤木洋良

裸木

裸木やかくのごとく我生きん 藤木洋良

枯葉

枯葉拾ふ少女に子犬笑けり 藤木洋良

初霜

初霜や風が息切れはっはっは 藤木洋良

時雨

しぐるるや猫背になって風走り 藤木洋良

山眠る

山眠る地球静かに自転する 藤木洋良

冬浅し

おみくじを引けば小吉冬浅し 藤木洋良

小春日

小春日や煩悩の海波青し 藤木洋良

神無月

初孫に言葉ありきや神無月 藤木洋良

銀杏散る

空を見てあかんべえして銀杏散る 藤木洋良

冬の雨

永遠の恋人の目に冬の雨 藤木洋良

落葉

落葉踏む風の足音遠ざかり 藤木洋良

冬の雷

冬の雷光切り裂く音を立て 藤木洋良

帰り花

帰り花話しかけるは風ばかり 藤木洋良

冬紅葉

人間がいても寂しい冬紅葉 藤木洋良

木の葉

吹く風に感謝して散る木の葉かな 藤木洋良

冬の海

崩れるや脳細胞の冬の海 藤木洋良

白鳥

白鳥の空泣いている赤子かな 藤木洋良

初冠雪

遠山の初冠雪や神在りき 藤木洋良

落葉

落葉掃く老婆の背中風憩ふ 藤木洋良

冬支度

今日は吉己を捨てて冬支度 藤木洋良

立冬

障子戸に影がゆさゆさ冬立てり 藤木洋良

行く秋

行く秋や寂しさゆえに生きている 藤木洋良

命日

命日や妻が咲かせた菊供え 藤木洋良

十一月

越後国空鉛色十一月 藤木洋良

暮の秋

喧嘩して笑って終わり暮の秋 藤木洋良

雁渡る

雁渡る醜きものを皆捨てて 藤木洋良